一番取れにくい埋没法は?医師が解説
美容整形で一番有名な施術は「埋没法」ではないでしょうか?今回は埋没法についてわかりやすく解説していきたいと思います。具体的には
- 一重と二重の人の解剖学的違い
- 埋没はどういう仕組みで二重を作る?
- 埋没の種類なにがある?
- 埋没が取れるとは?
- 一番取れにくい埋没法は?自然癒着法に関して解説
といった内容を解説します。
まずは解剖学的なところからみていきます。
What’s?
一重の人、二重の人何が違う?
上眼瞼の構造は表面から順に、皮膚,眼輪筋,眼輪筋下脂肪,眼窩隔膜,眼窩脂肪,上眼瞼挙筋および挙筋腱膜,ミュラー筋,瞼結膜となっています。
挙筋は尾側で挙筋腱膜となり瞼板に付着していますが、その手前で一部が折り返して眼窩隔膜となり、眼窩縁に付着しています。挙筋腱膜の表面には下横走靱帯,whitnall靱帯があり、眼窩隔膜との間に眼窩脂肪を含んでいます。
How
埋没はどういうしくみで二重をつくるか
開瞼運動は上眼瞼挙筋・ミュラー筋が収縮し、その動きが瞼板に伝わることで行われています。このとき眼窩隔膜上の皮膚・眼輪筋は眼窩脂肪の介在により収縮運動が直接伝わらないのに対して、挙筋腱膜の線維の一部が皮膚に伸びていると瞼板上の皮膚・眼輪筋は瞼板とともに動くようになります。この動きの違いによって生じる皮膚の折り重なりが重瞼、すなわち二重です。一重瞼は皮膚・眼輪筋と挙筋腱膜のつながりがない、もしくは弱いため開瞼時に重瞼が作成されないことが理由です。
What’s?
もともと一重や薄い二重の人がメザイクにより二重が定着するメカニズムは?
中には自然と癖ができて特にメザイクを継続しなくても二重が継続する人もいます。癖を付けることができるかどうかは、まぶたの構造によって決まりますが、癖を付けられる構造であっても、さまざまな要因で定着しにくかったり、癖自体が付きにくかったりする場合もあります。
What’s?
二重が定着しやすい人は?
基本的にまぶたが薄い人は癖がつきやすい傾向にあります。薄い人の定義は難しいですが、僕が思うまぶたの薄い人は、二重のシミュレーションでブジーを当てて二重を作ったときにある程度二重が維持されていたり、しばらくまばたきしても二重が消えない場合を示しています。
あとは、もともとうっすらと二重のラインが入っている人です。前述したように、二重は挙筋腱膜の線維の一部が皮膚に伸びていると瞼板上の皮膚・眼輪筋は瞼板とともに動くようになり、この動きの違いによって生じる皮膚の折り重なりが二重になります。この線維の一部が皮膚に伸びてはいるのですが、その成分が少ない、弱い、あるいは挙筋自体が弱いことが原因で二重のラインがうっすらとしてしまっていると考えられます。
この2タイプのように二重になる素養がある場合は定着しやすいです。
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埋没の種類
今回は裏留めは除外しますので、表留めに限定して説明します。
埋没法には挙筋法、瞼板法、そして瞼板上端固定法があります。挙筋法と瞼板法の違いは,瞼板から皮膚に糸を通すか,挙筋から皮膚に糸を通すかの違いです。上記で述べた、元来二重瞼の人の構造を考えると、瞼板法に比べ,挙筋法が生来の重瞼構造に近いといえます。
この二つの方法の問題点としては、
挙筋法:糸を強く縛ってしまうと医原性眼瞼下垂を生じやすい。
瞼板法:固定源として強固だが、角膜障害を生じる可能性が高い。瞼板がたわんで変形することがある。
と、このような問題点がありますが、瞼板上端固定法ではこれらの問題点を改善しています。 この方法では、挙筋瞼板移行部から糸を通し、瞼板上端前面に糸がかかるようにします。 瞼板法と挙筋法両者の良い所だけを取り上げた手術方法が瞼板上端固定法です。
What’s?
埋没が取れるとは?
埋没法で使われる糸は、7-0糸といわれるとても細い糸を使用しています。とはいえ強度は高いため糸が切れてしまうということは滅多にありません。
ではなぜ、埋没法で作った二重が消えてしまうことがあるのでしょうか。
①糸がほどけている(緩む)
これは手術後2,3ヵ月以内といった早い時期に起こります。術後1年もしてから糸がほどけることはほとんどありません。
②まぶたの組織が耐えられなくなった
術後何年も経過してから二重が元に戻ってしまうのは糸からまぶたの肉が緩んでしまうのが原因です。メロンなど柔らかいものに細い糸が食い込むイメージです。一日何千回もまばたきを繰り返すうちに、皮膚の組織が切れて、皮膚の浅いところに通してあった糸が奥の方に食い込んでいき、緩んだりほどけたりします。
③糸の種類によって耐久性が異なる
使用する糸はクリニックによって、アスフレックスやプロリンなど種類があります。モノというのはどんなモノでも経年劣化します。特に湿気や塩分が多い場合は特に劣化が激しいです。人体の組織(まぶた)は常にミネラルや水分を保持しているので埋没の糸も常にこれらに晒されています。糸の耐久性を示す指標の一つに張力残存率というものがあります。
これが高いほど生体内での品質劣化がほとんどないことを示します。
アスフレックスでは、3年半張力残存率が93%、9年張力残存率が92.5%、生体内での反応;ほぼ反応なし。
プロリンでは3年半張力残存率が77%、9年張力残存率が53.4%、生体内での反応;高度細胞浸潤あり。となっています。
つまりアスフレックス糸は経年劣化がほとんどないことがわかります。
プロリンを使うクリニックでは糸の経年劣化により埋没が消失している可能性もあるわけです。
Best
一番取れにくい埋没法は?
eクリニック岡山院では表留め、裏留め含めて8つのメニューがあります。
僕は基本的にいずれも瞼板上端固定法で行なっており、なるべく腫れずらい術式を採用しています。いずれも腫れにくいように施術は行なっていますが2.3日は直後よりも腫れが出ると思っておいて良いでしょう。
その中でも今回は当院で取り扱っている自然癒着法と、取り扱いはありませんが、取れにくいと言われるmultiple knot法を比較してみます。
自然癒着法
韓国で主流となった二重埋没方法で、糸の通し方の工夫で二重のラインを強力に6点固定できる術式を指します。
自然癒着法は、図のように交差するように糸をかけていくので二重ライン全体の直下に平面的に糸をかけられます。
なのでしっかりと食い込みを作って外れにくく、二重のラインが目頭から目尻まで薄くならずに希望のラインが作りやすいです。糸玉は表の目尻側にくるので糸玉が角膜を傷つけることなく、万が一の抜糸の際も1点のみなので容易でまぶた表面の傷も最小限です。
糸を通す位置ですが前述したように3つの方法があります。
瞼板法は二重食い込みが強くできるが瞼板が歪みやすいこと、眼球側に糸が出やすく角膜(黒目)を痛める恐れがあります。挙筋法は瞼板の上の筋肉に引っかけるので非常に柔らかく結ばないと眼瞼下垂が起きうること、ややとれやすいことがあるので、瞼板上端固定法を採用しています。
multiple knot法
あまり聞き馴染みがないかもしれませんが、現時点で自然癒着法と並んで二重の維持ができうる埋没法と言われています。結節部での埋没糸と皮下周囲組織との癒着が強
くなることから、結び目を皮下に多数つくることにより、皮下での固定がより一層強固なものとなるのではないか、とのことでMultiple knot法が考案されました。
MK法の特徴は重瞼線に沿った約20mmに及ぶ長いライン付けと埋没糸の結節部(結び目)における周囲組織との強固な癒着にあります。2本の糸を用いて1 本目の糸は重瞼線のライン付けを行い、2本目の糸は中央部を補強し、中央部での重險線の幅を固定します。結節は4 か所で6個の皮下結節点をつくっています。
欠点としては、結紮点が多く抜糸が困難である、手技がやや煩雑で、結び目が透見するなどが挙げられます。
どちらも強固な重瞼を作れるイメージは持ってもらえたかと思います。
埋没法は取れてしまうのがデメリットと思われてはいますが、逆にメリットでもあります。
万が一思っていたラインと違ったり、左右差が出た、今のデザインを気に入ってはいるがもう少しだけ変えてみたい、など抜糸を行えば術前の状態に戻すことも可能なのがメリットです。取れにくく、万が一の時に容易に抜糸できることが一番だと思いますので僕は自然癒着法に分があるかと考えます。
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埋没法で迷ったらeクリニックへ
埋没法で迷ったらeクリニックへお越しください。手術前にしっかりとカウンセリングを行い、お客様に合った埋没法のプランをご提案させていただきます。二重のデザインも幅広く対応できます。経験豊富な医師が対応させていただきます。